
クルマのサブスクのデメリットってあるの?
SNSとかで「お得じゃない」とかよく見るけど本当?

うーん、そういう声も実際に上がっているよね。
でも正直「車を所有したい」人にとってはメリットを感じないかもね。

車を所有したいってどういうこと?
普通、所有するものだよね。

「今までは」そうだったよね。
でも人の価値観は少しずつ変わってきていて、「クルマを持つ」ことではなく「クルマを使って移動する」ことを目的として考える人も増えてきたんだ。
だから都心部ではカーシェアリングが普及し始めているよね。

確かに都心部ではクルマを買うと駐車場代も高額だし、クルマを持たない人も増えているよね。でもうちは田舎だから、クルマは必要。

そう!
だから日々の生活でクルマが必要な人が「乗りやすいサービス」を作った。
これが自動車サブスクリプション。
最近CMなどプロモーションに力を入れているKINTOは、新時代を睨んでモビリティカンパニーに変化すると宣言したトヨタが立ち上げた事業なんだよ。


なるほど!ってことはデメリットはないってことでOK?

え?納得したの!?(意外だ・・・)
でもせっかく調べたから1つ1つデメリットと呼ばれる要素を深堀していくよ。
【結論】「所有することに価値を感じる人」以外はデメリットなし

結論として「所有することに価値を感じる」というタイプの人以外にはデメリットはありません。
具体的に言えば以下のような人です。
- 自分好みに改造したい人
- 手入れを自分で行いたい人(こだわりのカー用品を使いたい人)
- どうしても車内で喫煙したい人
- ペットと一緒に出掛けたい人
ある意味、価値観と言っても過言ではありませんが「こだわりのある人」はこれまで通り「購入する」というスタイルがベスト。
逆を言えば車に乗る目的が「移動」であるという人は、自動車サブスクリプションが最適です。
なぜなら移動の目的を達成する以外の面倒な作業が全て月額定額に組み込まれているから。
とくにこだわりなく、気軽に車に乗りたいという人にとっては「頭金なし」「メンテナンス・保険込み」の自動車サブスクリプションが最適な選択肢と言っても過言ではありません。
一般的に言われるデメリットを検証

でも本当にデメリットはないの?という疑問もあるでしょう。
ここからは一般的に「自動車サブスクリプションのデメリット」と言われている項目について検証していきます。
検証する項目は一般的に「デメリット」と言われている以下の5項目。
- 月額費用が高額に感じる
- 走行距離制限がある
- 保険等級が引き継げない
- タバコが吸えない/ペットが乗せられない
- 中途解約時の違約金が発生する
1つ1つ検証していきましょう。
価格面を検証(ローンやキャッシュと比べても遜色なし)
月額費用が高額に感じる!とよく言われていますが、本当でしょうか?
結論、自動車サブスクの方が「安い」というシュミレーションとなりました。

え?本当?
と思われる方もいらっしゃると思いますので、内訳をみていきます。

正直これはトヨタKINTOの試算ですから、「金利」を高めに設定していたり「定価ベース」で値引きが考慮されていないというツッコミどころもなくはないです。
ですが少なくとも「キャッシュ」や「ローン」と比較しても同等レベルであるとは言えますよね。
極端にサブスクが「高く感じる」のはあくまでイメージの話。
これを見ていくと、価格面のデメリットはないと言えますね。
走行距離制限を検証(月1,500㎞でも十分足りる)
自動車サブスクリプションにおいて「走行距離制限」をデメリットとして挙げている人もいます。
この走行距離制限というのはサブスプリクションだけで設定されているものではなく、残価設定型クレジットでも存在する概念です。
なぜ、走行距離制限が設定されているかと言えば「極端な使用で車の状態が悪化すると下取り価格が下がってしまうから」です。
サブスプリクションも残価設定型クレジットも期間満了後に車両を中古車として流通させることを前提としているので、この設定はどうしても必要になります。
ここに対して異議がある人は、サブスプリクションや残クレは利用しない方が良いでしょう。
ではポイントは「定められた制限距離が一般的な使用に足りているのかどうか」でしょう。
サービスにより違いはありますが1,500㎞/月と定められているケースが多いので、1,500㎞/月が足りるのか、足りないのかを検証していきます。
① 平日通勤で毎日乗る場合(片道15㎞)
15㎞×2(往復)×20日=600㎞
② 土日で平均50㎞の移動があった場合
50km ×10日=500㎞
①+②=1,100㎞/月
毎日30㎞~50㎞の移動を継続的に行っていたとしても十分に足ります。
たまに長距離で旅行にいったとしても、+400㎞までは耐えられる計算。
そう考えると制限されているとは言え、日常生活で気にする必要のない項目であると断言できますね。
保険等級が反映されない(保険等級が引き継げるサービスもある)
保険料が定額なので「保険等級が高めな人」にとっては割高と感じてしまう可能性があります。
運転歴が15年以上、かつ無事故無違反であれば20等級という最上位の等級が与えられる為、保険料を大幅に安くすることができます。
有名なサブスプリクションサービスのうち、「トヨタKINTO」は保険等級が引き継がれません。
その為、確かに15等級以上の人にとっては割高になってしまうかもしれません。
しかし損害保険代理店系のサブスク(カーリース)で「SOMPOで乗ーる」というサービスは保険等級を引き継ぐことができます。
SOMPOで乗-るの場合はメーカー問わず車種が選べる為、運転に慣れた人にとっては使い勝手の良いサービスであると言えますね。
タバコが吸えない/ペットが乗せられない(そもそも利用すべきではない)
自動車サブスクリプションにおいて、運転中の喫煙及びペットの同乗は原則禁止となっています。
その理由は走行距離制限と同様で「喫煙」「ペットの同乗による車内の状態悪化」が期間満了後の下取り価格の低下を招いてしまうからです。
近年喫煙する人はかなり減ってきていますし、ペットを同乗させたいという人も少数派。
そういう意味では喫煙やペット同乗を条件として車に乗る人は「サブスクリプションを利用すべきでない人」と言わざるを得ません。
よってこの件は利用条件外となり、デメリットとは呼べないと考えて良いでしょう。
中途解約時の違約金が発生(Kintoの場合は全額の違約金支払いではない)
サブスクリプションというくらいですから「いつでも解約できる」というのが本来の概念ではありますが、「自動車」という高額の乗り物を利用するサービスであるため、好きなタイミングで解約するという自由度は残念ながらありません。
ただし、カーリースとサブスクリプションの場合で考え方が違います。
カーリースと自動車サブスクリプションの違い
カーリース = リース会社があなたの車を代理購入して、期間契約で貸し出す
サブスク = メーカーが新車を期間契約で貸し出す。
カーリースはあくまで代理購入。
契約期間満了まで継続してもらわなければ損失が発生してしまいます。
その為、カーリースの中途解約の違約金は基本的に以下の計算式となっています。
カーリースの違約金の考え方
違約金=(残期間分のリース料+未払料金及び遅延損害金+事務手数料)-車両の査定額
もしくは
違約金=(残期間分のリース料+未払料金及び遅延損害金+事務手数料)
※リース料に残価設定が想定されている場合
つまり基本的には残期間分全て+@であると考えて良いでしょう。
使わない期間分の利用料全てを負担しなければならないので、中途解約は基本的に避けた方が良いです。
これがカーリースの最大のデメリットであるといっても過言ではありません。
一方でサブスクの場合はメーカーが直接サービスを提供する形なので、代理購入ではなく、というよりは自社の販売ネットワークを駆使して様々な形で車を活用することができます。
メーカーとして自動車サブスクリプションサービスを提供する「トヨタKINTO」は解約金の考え方も違います。半年ごとに解約金が設定されており、6ヵ月経過の最終月であれば残期間ごとに設定された精算金のみで解約が可能となっており、やむを得ない事情が発生してしまった場合でも比較的負担が少ない形で解約することができます。
KINTOの解約金の考え方(3年契約の場合)

もし中途解約した際の解約金が気になるという方は、KINTOを利用することで急な解約リスクを押さえることができますね。
自動車サブスクリプションのメリット


へー、1つ1つ見ていくと意外デメリットって少ないのね。

そう!新しいサービスが世の中に出る時の宿命と言える。
本当に良いサービスは軌道に乗るまでに時間がかかるものなんだよ。
個人的には、数年後には「車を買う人よりも」「サブスクで契約する人」の方が多くなる可能性も十分にあると思ってるんだ。

そうね。
中古車を買いたい人は別だろうけど、新車が欲しい人にとっては、ローンを組んだりするよりリスクも少ないものね。
じゃあ逆に「メリット」って具体的にどんなところ?

そうだね。
今度は「メリット」にフォーカスを当てて解説していくね。
初期費用不要で新車に乗れる
最大のメリットと言えるのが「頭金」や購入時に必要な「諸費用」などが一切発生しないこと。
極端なことを言えば、貯金0円でも安定した収入があれば契約することができます。
(※審査結果には個人差があります。)
もちろん、経済的な安定は必要なことです。
ですが「急に通勤で車が必要になる」というような対応が求められることもありますよね。
毎月の支出はありますがまとまったお金を手元にキープできるという意味でも非常に価値があります。
ひと昔前であれば、一生懸命貯金をして貯めたお金を一気に使って夢のマイカー購入という考え方が当たり前でした。しかしそれは、バブル期のように景気の良い時期の話。
いつ何が起こるかわからない状況ですから、初期費用を支払うことなくクルマに乗れるというのは最大のメリットであると言っても過言ではありません。
保険料が定額(若い人に有利)
保険料が定額であるというのは若い人にとって有利な条件です。
なぜなら通常の条件で20代前半の若い方が任意保険に加入すると超高額だからです。

え!?こんなに?
そうなんです。若い年齢の方は「運転歴の浅さ」により事故発生のリスクを想定せざるを得ない為、保険会社も高額に設定せざるを得ないのです。
ちなみに以下のような条件で見積を取っています。
保険見積条件
- 車種「トヨタ ヤリス」(型式 KSP210)
- 形状「ハッチバック1000 G(令和2年2月発売)
- 使用目的:家庭用
- 走行距離:年間18,000㎞(※サブスク上限の1,500㎞/月と同じ値)
- 主な使用者:本人
- 本人年齢:20歳
- 免許種類:グリーン(初心者)
- 運転者限定:なし(本人、その友人も運転可能)
- 保険証券の発行:なし(500円割引)
- 車両保険:なし(※条件面で車両保険の契約不可)
サブスクやカーリースの場合は、万が一の事故に備えた任意保険(対人・対物・車両)への加入が必須。
なぜなら事故を起こしてしまった場合、全額弁償となり巨大な負債を抱えてしまうからです。
あまり若い方になると車両保険に加入できないということもありますので、サブスクの保険込み・定額というのはとても安心な条件と言えますね。
ライフスタイルに合わせた乗り換えが可能
若い方、特に20代~30代の方は様々なライフイベントが発生する可能性があります。
- 就職
- 転勤
- 転職
- 結婚
- 出産
仕事を始めると通勤に車が必要になることもあるでしょう。
また首都圏→地方の転勤などがあれば急に車が必要になる可能性もありますよね。
通勤用として使っていたコンパクトカーは結婚して子どもが生まれたら手狭になるケースも多いです。
1人目、2人目と子どもが増えると出かける先も変われば、車内の広さも重要になってきます。
そういった用途に合わせて本来であれば、車を乗り換えるという選択肢があっても良いはずです。
しかしこれまでの「購入・ローン・リース」というスキームの場合、実現は難しいものでした。
自動車サブスクリプションであれば、短期(3年)での契約も可能な上、いつでも乗り換えができるオプションなども登場しました。
より乗りやすい条件が整えられてきているので、若い方にとって非常に便利なサービスが登場したと言っても過言ではありません。
これも「所有→利用」という価値観の変化によって生まれたもの。
これからライフイベントの変化が予測される方は是非使ってみて頂きたいです。
条件により解約金が免除されるケースがある
これは現時点ではトヨタ「KINTO」のみではありますが、一定のやむを得ない事象が発生した場合においては、解約金なしで解約が許される場合があります。
- 海外転勤で車を手放さなければならなくなった時
- 免許返納で車が不要になった時
例えば、商社にお勤めの方で将来的に海外転勤を目指しているような方はなかなか車の購入に踏み切れないというようなこともあると思います。
また数年後に免許返納の可能性がある「お年寄りドライバー」も利用しやすいですね。
最新の安全装置を搭載した車に乗ってもらえる方が、ご家族も安心ですからオススメです。
上記のような条件に該当する方にとっては大きなメリットであると言えます。
経費処理の簡略化(個人事業主/法人の場合)
カーリースでもそうですが個人事業主の方が事業で車を利用する場合には、利用料を経費として扱うことができます。
更にサブスプリクションの場合は車検費用/メンテナンス費用/任意保険料などの様々な経費を一本にまとめることができる為、経費処理の簡略化に繋がります。
<サブスプリクションの場合の経費科目>
- リース費用
- 車両費(洗車/備品代)
- 駐車場代
- ガソリン代
<購入の場合の経費科目>
- 減価償却費(購入価格÷耐用年数)
- 租税公課(自動車税/重量税)
- 保険料(自賠責保険/任意保険)
- 修繕費(点検整備費)
- 車両費(洗車/備品代)
- 駐車場代
- ガソリン代
個人事業主の方は、ここから更にプライベートの利用割合によって経費の計上割合が決まるということも覚えておくと良いでしょう。
事業用の車が新車だと取引先に対する印象も良くなるはずですから、個人事業主や法人の方はサブスプリクションの利用価値があると言えますね。
自動車サブスクリプションの利用に向くのはこんな人

ここまで自動車サブスクリプションのメリットをまとめてきましたが、特定の条件の方にとっては大きなメリットが出ることがわかりましたね。
まとめると以下のような方が自動車サブスクリプションの利用に向きます。
- 保険料が割高になる20代の方(初めての車購入)
- これからライフスタイルの変化が見込まれる20代~30代の方(乗り換え・買い替え)
- 海外転勤の可能性がある勤務先にお勤めの方
- 免許返納を控えたお年寄りドライバー(60代~70代)
このような条件に該当する方の車選びには「自動車サブスクリプションの利用が有効である」ということをしっかりと覚えておきましょう。
おすすめの自動車サブスクリプション

自動車サブスクリプションのデメリットは少ないということ、メリットが非常に多く特定の条件に合った人にとっては利用価値のあるサービスです。
では「どんなサービスを選べばいいの?」という方に向けて、おすすめのサブスプリクションサービス2社をご紹介します。
この2社はメーカー系、保険会社系のサブスプリクションで内容面で高く評価できます。
「他の会社とも比較してみたい」という方は【失敗しない自動車サブスクの選び方】主要6社のサービス内容を徹底比較で比較していますので、よろしければご一読ください。
トヨタ Kinto

これまでトヨタKintoの話は何回か出してきましたが、クルマのサブスクの先駆けとなったのが、トヨタ社のKintoです。
リリース当初は車種も少なかったのですが、今では31種類のクルマが選べるようになりました。
コンパクトカーであれば月3万円代で乗れますし、高級思考の方はレクサスも選ぶことができます。
テレビCMもかなり強気に打ってきていますし、2020年7~9月で契約数を8倍に伸ばしてくるなど、今後のサービス拡充や車種の追加などが期待できます。
ここでKintoの特徴をまとめていきたいと思います。
<Kinto 特徴>
- トヨタ販売店、Webの両方で取り扱いがある。
- メンテナンスは全国のトヨタ整備工場で対応してもらえる
- Web、電話のみの受付で契約が可能
- トヨタが自社で運営しているからこそできる「割安感」※車の仕入れコストが安い
- 期間内の乗り換えが可能(乗り換えGO)
- 免許の返納時、海外転勤などやむを得ない転勤の場合は中途解約が可能
- 支払い方法が口座振替・クレジットカードと選べる→カードのポイントが貯まりやすい
- 当然、トヨタブランド以外の取り扱いはなし
トヨタグループの販売網等の強みを活かしたサービスとなっているので、サービスの質が良いです。
本当に「駐車場代」と「ガソリン代」以外は全て定額というスキームを完成させています。
自動車業界最大手だからこそ提供できるサービスの幅が、このサービスの最大の特徴と言えます。
トヨタKINTOをもっと詳しく知りたい方は
【話題】トヨタKINTOを徹底解剖!メリット・デメリット・口コミまでくわしく解説
という記事もご覧ください。
SOMPOで乗-る

損害保険大手のSOMPOホールディングスとDeNAが共同で設立した、株式会社DeNA SOMPO Carlifeが運営するサービス。
クルマのサブスクは「任意保険」が含まれていることがポイントなので、大手損害保険会社が参画していると言う点は非常に頼もしいですね。
またDeNAはインターネット草創期からWebを使ったビジネスに取り組んでいる会社ですので、Webを利用したサービス提供の面でも安心できるタッグです。
SOMPOで乗ーるの特徴は以下の通りです。
<SOMPOで乗ーる 特徴>
- 全国の損保代理店、Webからの申し込みが可能。
- どのメーカー、どの車種でも選ぶことができる(国産・輸入車どれでもOK)
- メーカー保証外のメンテナンスも対応してくれる
- 定期的な点検の1ヵ月前にアナウンスをしてもらえる
- 夏タイヤ・冬タイヤの交換ができるオプションがある
- シェアリングサービス(anyca)のオーナーになり、収益を得る(=維持費低減)ことができる
- 期間中の解約は原則NG
トヨタグループ以外の車種に乗りたいという人におすすめのサブスクサービス。
国産・輸入車両方の取り扱いがある点で、メーカーや車種にこだわりのある人はこのサービスを利用すると良いでしょう。
サービス内容の面で見ても、Kintoとほぼ同様となっており損保ジャパンとDeNAがわざわざ合同で会社を立ち上げるくらいですから、本気の取り組みと言えます。
SOMPOで乗ーるをもっと詳しく知りたい方は
SOMPOで乗ーるを徹底解剖!任意保険付きカーリースの秘密とは?
という記事もご覧ください。
まとめ

自動車サブスクリプションのデメリットは「所有したい人」以外には気にならないということを解説してきました。
「所有→利用」に人々の価値観が変わっているように、自動車に対する考え方というのは年々変化しています。首都圏にいればわざわざ車を持つことすら煩わしく感じている人も増えているくらいです。
そのような新しい価値観を満たす為には、それらのニーズに合ったサービスを利用することが一番です。
自動車サブスクリプションは新しい時代のクルマとの付き合い方を体現したサービスです。
「車に乗るのに大金を払ってわざわざ所有する」ということに抵抗があるという方は、是非検討してみてください。
きっとあなたに合った車の乗り方が実現できるはずですよ。
以上、「自動車サブスクリプションのデメリットは何?利用メリットがある人の特徴を解説」でした。